2025年F1開幕テスト:各チームの最新マシンと注目ポイント

2025年のFIA-F1世界選手権がいよいよ始動します。開幕を前に、各チームの戦闘力を占う重要な場となる公式プレシーズンテストが、2月26日から28日までの3日間、バーレーン・インターナショナル・サーキットで開催されます。この記事では、各チームの最新マシンと注目ポイントについて詳しく解説します。

プレシーズンテストの概要

プレシーズンテストは、各チームが新しいマシンの性能を確認し、調整を行う貴重な機会です。セッションは現地時間午前10時(日本時間16時)から19時(日本時間25時)まで行われます。

フジテレビNEXTライブ・プレミアムでは、このプレシーズンテストを全セッション生中継します。放送スケジュールは以下の通りです:

  • 2月26日(水)15:50-25:10 テストDay1
  • 2月27日(木)15:50-25:10 テストDay2
  • 2月28日(金)15:50-25:10 テストDay3

2025年シーズンの注目ポイント

1. 現行レギュレーション最終年の勢力図

2025年は現行レギュレーションの最終年となります。2026年の大幅な技術レギュレーション変更を控え、各チームは今年のマシン開発にどこまで力を注ぐのかが注目されます。特に昨年、26年ぶりにコンストラクターズタイトルを獲得したマクラーレンを筆頭に、2位フェラーリ、3位レッドブルといった強豪チームのパフォーマンス比較は、開幕戦オーストラリアに向け、大いに気になるところです。

2. ルイス・ハミルトンのフェラーリ移籍

2025年シーズン最大の移籍ニュースは、ルイス・ハミルトンのフェラーリ加入です。7度の世界チャンピオンは昨年末をもってメルセデスを離れ、カルロス・サインツに代わってスクーデリアに加わりました。昨シーズンは僅差でタイトルを逃したフェラーリが、ハミルトンの加入によってチームの方向性をどう変えるのか、プレシーズンテストでの走行データやラップタイムに注目が集まります。

3. 8チームのドライバー変更とルーキー5人の挑戦

今シーズンは全10チーム中、8チームがドライバーラインナップを変更しました。中でもF1デビューを迎える5人のルーキーの走りにも注目が集まります。プレシーズンテストは彼らにとって、F1マシンへの適応度やチームとの相性が試される重要な期間となります。

4. 角田裕毅の5年目のシーズン

日本のF1ファンにとって、最大の注目ポイントの一つは5年目を迎える角田裕毅でしょう。昨シーズンは着実にポイントを重ね、チーム内での地位を確立しました。2025年はさらに上位を狙う年となります。新たなマシン「VCARB 02」との相性やチームの戦闘力次第、レース展開次第では、初の表彰台獲得も夢ではありません。まずはテストで堅実に走り込み、フィジカル・メンタル双方最高のコンディションで開幕戦に臨みたいところです。

各チームの最新マシンと注目ポイント

マクラーレン(MCL39)

前年王者のマクラーレンは、2月13日にシルバーストン・サーキットでシェイクダウンを行い、新車「MCL39」の画像を公開しました。2024年シーズン、マクラーレンはアップグレードを慎重にテストし、確実に性能向上を図る方針を貫きました。このアプローチは大きな成果を上げ、結果的にチームをコンストラクターズタイトル獲得へと導きました。

2025年のF1マシンとして最も早く「MCL39」を公開したのも、シーズン序盤からアドバンテージを築く狙いがあることの表れです。プレシーズンテストでは、このマシンがどれだけの速さを見せるか、そして昨年の成功を再現できるかが注目されます。

フェラーリ(SF-25)

フェラーリは2月20日にフィオラノ・サーキットで「SF-25」を発表し、シェイクダウンを実施しました。ルイス・ハミルトンが初めてフェラーリのマシンを駆る瞬間が大きな注目を集めました。

フレデリック・バスール代表によると、SF-25はほぼ新設計で、「99%」が刷新されたマシンとのことです。ハミルトンとシャルル・ルクレールのドライバーラインナップで、タイトル争いに加われるかが焦点となります。プレシーズンテストでは、新設計のマシンがどれだけのポテンシャルを発揮するか、そしてハミルトンがどれだけ早くマシンに適応できるかが注目されます。

レッドブル(RB21)

昨年ドライバーズタイトルを獲得したマックス・フェルスタッペンを擁するレッドブルは、2月19日にイモラ・サーキットで「RB21」のシェイクダウンを実施しました。レッドブルは常に革新的なデザインで知られており、今年のマシンにも何らかの驚きがあるのではないかと期待されています。

プレシーズンテストでは、RB21が昨年のマシンからどれだけ進化しているか、そしてフェルスタッペンがどれだけ速いラップタイムを記録するかが注目されます。

メルセデス(W16)

メルセデスは2月24日に新車「W16」を発表し、翌25日にバーレーンでシェイクダウンを実施しました。ハミルトンの離脱後、ジョージ・ラッセルとニューカマーのアンドレア・キミ・アントニオニがドライバーを務めます。

メルセデスは2022年以降、思うような結果を残せていませんが、今年こそ復活を果たせるか注目されます。プレシーズンテストでは、W16がどれだけ競争力のあるマシンに仕上がっているか、そして新ドライバーラインナップがどれだけ早くチームに馴染めるかが焦点となります。

アストンマーチン(AMR25)

アストンマーチンは2月23日にデジタルプラットフォーム上で新車「AMR25」を発表し、翌24日にバーレーン・インターナショナル・サーキットでシェイクダウンを行いました。昨年後半のパフォーマンス低下をどう克服するかが見ものです。

フェルナンド・アロンソとランス・ストロールのドライバーラインナップは変わらず、経験豊富なコンビがチームをどこまで引き上げられるかが注目されます。プレシーズンテストでは、AMR25が昨年の課題をどれだけ解決できているか、特に空力面での改善が見られるかが焦点となります。

アルファロメオ(C45)

アルファロメオは2月25日に新車「C45」を発表しました。バルテリ・ボッタスと周冠宇のドライバーラインナップは変わらず、チームの安定性を維持しています。

昨年は中団争いで苦戦を強いられましたが、今年はどれだけ上位に食い込めるかが注目されます。プレシーズンテストでは、C45がミッドフィールドでの競争力をどれだけ向上させているか、特に空力効率と信頼性の面での改善が見られるかが焦点となります。

アルファタウリ(AT06)

アルファタウリは2月24日に新車「AT06」を発表しました。角田裕毅とダニエル・リカルドのドライバーラインナップで、経験と若さのバランスの取れたコンビとなっています。

昨年は厳しいシーズンを強いられましたが、今年はどれだけ上位に食い込めるかが注目されます。プレシーズンテストでは、AT06がどれだけ競争力のあるマシンに仕上がっているか、特に空力効率とパワーユニットの性能向上が見られるかが焦点となります。

ウィリアムズ(FW47)

ウィリアムズは2月15日にシルバーストンで2025年マシン「FW47」を発表しました。新たなタイトルスポンサーであるアトラシアンとの提携を記念した「特別なワンオフカラーリング」のFW47を披露しました。

アレクサンダー・アルボンとローガン・サージェントのドライバーラインナップは変わらず、チームの安定性を維持しています。プレシーズンテストでは、FW47がミッドフィールドでの競争力をどれだけ向上させているか、特に空力効率と信頼性の面での改善が見られるかが焦点となります。

ハース(VF-25)

ハースは2月16日にシルバーストンでエステバン・オコンがシェイクダウンを実施しました。オリバー・ベアマンはプレシーズンテストが始まる前の週に、再度フィルミングデーを利用して追加のテスト走行を行う見通しです。

昨年は厳しいシーズンを強いられましたが、今年はどれだけ上位に食い込めるかが注目されます。プレシーズンテストでは、VF-25がどれだけ競争力のあるマシンに仕上がっているか、特にタイヤマネジメントと空力効率の改善が見られるかが焦点となります。

プレシーズンテストの見どころ

プレシーズンテストでは、各チームが新しいマシンの性能を確認し、調整を行います。以下のポイントに注目して観戦すると、より楽しめるでしょう:

  1. ラップタイム:各チームのラップタイムを比較することで、おおよその戦力図が見えてきます。ただし、燃料搭載量や設定の違いもあるため、絶対的な指標にはなりません。
  2. 周回数:多くの周回を重ねられるチームは、マシンの信頼性が高いと言えます。逆に、トラブルで走行時間が少ないチームは開幕戦に向けて不安が残ります。
  3. ロングラン:レースペースを確認するために行われるロングランの様子。タイヤの劣化具合やマシンのバランスの変化などが観察できます。
  4. 新パーツのテスト:テスト期間中に新しいパーツを投入するチームもあります。どのようなアップデートが行われるかにも注目です。
  5. ドライバーの適応:特に新しいチームに移籍したドライバーや、ルーキードライバーがどれだけ早くマシンに適応できるかも重要なポイントです。

まとめ

2025年F1プレシーズンテストは、新シーズンの幕開けを告げる重要なイベントです。各チームの最新マシンが初めて本格的なテストに臨み、その性能と信頼性が明らかになります。特に、マクラーレンの王者としての強さ、フェラーリのハミルトン加入後の変化、レッドブルの継続的な強さ、そしてメルセデスの復活なるかが大きな注目ポイントとなります。

また、日本人ドライバーの角田裕毅の5年目の挑戦も見逃せません。新マシン「VCARB 02」との相性や、チームメイトのダニエル・リカルドとの競争など、多くの興味深い要素があります。

F1ファンにとって、このプレシーズンテストは新シーズンへの期待を高める絶好の機会となるでしょう。3日間のテストを通じて、各チームのマシンの特徴や強み、弱みが少しずつ明らかになっていきます。しかし、真の実力が明らかになるのは、3月16日に開幕するオーストラリアGPを待たなければなりません。


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